医学部生がECMOを分かりやすく解説

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こんにちは。


コロナウイルス感染症にかかって入院している患者さんにECMOを利用するということを最近よく耳にしますよね。


耳馴染みのない単語なので、気になって調べた方もいるのではないでしょうか。


私が報道を見ていて思うのは、ECMOについて適当な記事が多すぎるということです。


記者がECMOについて理解していないのか、あえて国民の不安を煽って記事を読んでもらおうとしているのかは分かりませんが、あまりにも酷いものも見られます。


今回はECMOについて、よく分かるように事実のみを噛み砕いて説明していきます。


是非本記事を活用して、正しい知識を身につけてください!


注)今回は、医学に関する知識があまりない方へ簡単に説明する記事となっておりますので、ごまかして書いている部分があります。ですが、ECMOについて誤った理解をすることはないのでご安心ください。


あなたがニュースを見たりするときの、手助けにしてみてください!


まずECMOというのは英語の略称で、正式名称はExtracorporeal membrane oxygenationです。


難しいですね。


一応英語の意味を解説すると、Extracorporealが体外のという意味で、membraneが膜という意味、oxygenationが酸素投与という意味で、合わせると「体外式の酸素投与する膜」という意味になります。


難しいですね笑


酸素投与する膜というのは体における肺という意味ですので、ECMOというのは結局「体外式の肺」という意味になります。


ここで日本語での名称を見てみると「体外式膜型人工肺」です。


つまり、体の外にある膜を使って肺の代わりに酸素交換をする人工的な肺ということですね。


英語と日本語から考えてみると、少し分かりやすいと思います。


では次に、ECMOの仕組みを解説していきます。


ECMOの働きを簡単に説明すると、その名の通り「人工的な肺」ですので、肺のように酸素が薄くて二酸化炭素が濃い血液(静脈血)を酸素が多く、二酸化炭素が少ない血液(動脈血)に変えるという働きをします。


このことを念頭において、続いての具体的な解説を読んでみてください。


まずは、静脈血を抜き取ります。


そして、そして人工肺にその血液を送り込み、拡散という原理を使って血液から二酸化炭素を取り出し、血液に酸素を加えます。


拡散とは異なる成分の液体同士や液体と気体が合わさったとき、徐々にそれらが混ざり均一にるという原理です。


最後に、その血液を体内に戻します。


これが一連の流れです。


では、ECMOはどのような患者さんに使われるのでしょうか。


ECMOは肺や心臓が著しく弱った場合に用いられます。


そのような患者さんは自分の力で血液に酸素を送り込んだり、血液を身体中に送り出したりすることができません。


ここで、ECMOを用いることで、先程説明した通り人工肺が肺の代わりに血液に酸素を与えたり、交換した血液を戻すときに血液の流れを作ることで、心臓の代わりに血液を身体中に行き渡らせたりすることができるのです。


そして最後に、ECMOの成果ですが、ECMOはそれを導入することにより重症呼吸器不全の方の生存率が上昇するという成果をあげています。


報道の中にはECMOを悪者かのように書く記事もありますが、何人もの患者さんを救ってきている装置なのです。


ですが、問題点もあります。


それはECMOを使うためには熟練された医療従事者が多く必要だということです。


医療従事者の中の数には限りがあります。


それも今回のコロナウイルス感染症のように、多くの患者さんがいらっしゃるときに、ECMOを使い過ぎると、熟練された医療従事者がそこに付きっきりなってしまい、全員の患者さんを十分に見られなくなる可能性があるのです。


このことも覚えておいていただきたいです。


いかがでしたか?


是非正しい知識を身につけて、報道を読み解けるようになってください!